2014年10月11日土曜日

カジノでパチ・スロはできるのか?



 こんにちは、K松です。パチ・スロに始まり、アニメやゲーム、麻雀など広く娯楽の仕事をしている私ですが、最近はカジノ関連も増えてきました。今開かれている臨時国会。これが日本版カジノが実現するか否かの注目の国会でして、関係者はその行方を見守っています。そんな中、カジノ業界にも進出しようとするパチンコ・パチスロ業界の企業や人も少なくありません。中にはパチ・スロ台を日本版カジノに置きたい、という人も。そこで今回はカジノでパチ・スロができるのか、というところから考えたいと思います。

 現在、海外のカジノには、パチスロに似たスロットマシンがあります。もともとはスロットをもとにパチスロができたわけですから、当たり前ですね。それなら、カジノでもパチスロはできるんじゃないの? と思うのも当然。ところが、結論から言えば、今のルールではパチンコもパチスロもカジノで遊ぶことはできません。その理由は、そもそもギャンブルとは何か、というところを説明する必要があります。

 ギャンブルは、公平でなくては成り立ちません。この「公平」というものにもいろいろありますが、その中のひとつに「だれでも同じように賭けられるもの」というものがあります。同じ金額を賭けるというのではなく、たとえばルーレットなら赤の1、黒の2にはだれでも賭けられる、という意味です。言い換えれば、結果にユーザーの技量が反映しないということにもなります。賭ける人によって赤が出やすかったり、黒が出やすかったりしたら、賭けが成立しないことは、お分かりだと思います。

 では、パチ・スロはどうか。まずはパチンコ。極端に言えば、本来左打ちの時に右打ちすれば絶対に当たりませんし、羽根物などはせっかくV入賞して羽根が開いても、何もしなければパンクしてしまいます。そしてパチスロ。コインを入れ、レバーをたたいたところで、内部的には抽選で成立役(はずれを含む)が決定します。ここまでなら公平なのですが、次にボタンを押してリールを止め、図柄をそろえるという工程があり、さらに図柄がそろったか否かで当たり・はずれというように、再度抽選が行われる仕組みになっています。みなさんよくご存じのように、パチンコ、パチスロはユーザーの技量によって、その先の結果が大きく変わるものなのです。

 先に書いたとおり、ギャンブルの原則は、だれでも同じように賭けられること。そう考えると、パチンコでのハンドルの握り方がおかしかったり、パチスロで目押しができなかったりする人が、同じように賭けに参加できているとは言えなくなります。カジノにあるスロットマシンは、単にボタンを押し、リールが止まるのを見るだけ。ここには技術が介入しないので、OKなわけです。裏を返せば、パチ・スロはギャンブルのような認識をされていますが、この「技量で結果が変わる」という意味では、決定的にギャンブルではないと言えます。

 どうしたらパチ・スロをカジノに入れられるか。パチンコは常にハンドル固定もしくは入金で自動に玉の打ち出し、パチスロはレバーかスタートボタンでリールが回転し自動で止まる、くらいすればなんとかなるかもしれません。ただ、それはもはやパチンコ、パチスロと呼べるものではないのでしょう。

 玉の打ち出し加減で狙いを定め、タイミングよくボタンを押すことで図柄をそろえる。それがパチンコであり、パチスロである限り、純粋なギャンブルとはどんどん遠ざかるはずです。ただ、最近のパチスロは勝手にリールが動いたり、図柄がそろっていなくてもボーナスが始まったりします。それは、ギャンブル化したと言えなくもありません。

 この先、パチ・スロは娯楽としての姿を取り戻すのか、それともより純粋なギャンブルに近づいていくのか。できれば前者であってほしいという願望を持ちながら、行く末を見守りたいと思います。【K松】

【2014年10月11日0時50分 nikkansports.comから抜粋】